29年度丸岡城発掘調査速報越前・三国の旅

29年度丸岡城発掘調査速報(81)

福井県の越前・三国エリアの魅力を発信しています
三国温泉 お宿あらやは福井県よりふくいブランド大使に認定されており、福井県の越前・三国エリアの情報や、越前蟹(えちぜんがに)の魅力をネットを通して全国に発信しています。この記事は福井県坂井市「広報さかい平成30年1月号」より掲載しました。福井県の歴史文化に興味を持ち、越前・三国を旅する方が増えることを願います。 ●広報さかい

天文台の「普請(ふしん)」
今年度も丸岡城の発掘調査を実施しました。昨年度の調査で、建物跡を示す柱穴(ちゅうけつ)のほかに、石を向かい合わせに積んだ溝のような施設(石積遺構いしづみいこう)が見つかりました。これを延ばしていくと天守台の北東角に突き当たるので、「天守の雨水を排水するための施設では?」と考え、天守台北東角の部分も調査を行いました。調査の結果、石積遺構は天守台まで続いていないことが確認され、これは天守前広場にあった建物に関係する施設の可能性が考えられます。
石積遺構のほかに、柱穴や小規模な溝も確認されました。柱穴はこれまでの発掘調査の成果とあわせることで、建物がどのような規模であったか、具体的に知る手掛かりになります。柱穴はいくつもあり、同じ建物の柱位置としては不自然な位置関係のものもあることから、建物が立て直された可能性も考えられます。
また、天守台のすぐ横を調査したことで、天守台の石垣がどのようにして積まれたか、その工法の一部がわかりました。丸岡城の天守台を積む手順は、まず城山の岩盤を削って平らにし、さらに基底石(きていせき)を据える範囲を堀りくぼめ、そこに基底石となる第一段目の石を据えています。通常、石を積もうとするときは、据える場所を石よりも大きく掘り、石を据える作業や、向きや角度を調整する作業がしやすいよう作業スペースを確保します。しかし、今回調査した場所では、石と掘りくぼめた岩盤の隙間が極めて狭く、作業スペースがほとんどありません。石垣の基礎を強固な岩盤に支持させ、安定した石垣を積もうという工夫だと考えられます。当時の言葉で建築工事は「作事(さくじ)」、土木工事は「普請(ふしん)」と呼んでいました。今回の調査は普請を請け負った職人の工夫の一端がわかる貴重な成果になりました。


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