陶磁器が紡ぐ中世の歴史越前・三国の旅

陶磁器が紡ぐ中世の歴史(82)

福井県の越前・三国エリアの魅力を発信しています
三国温泉 お宿あらやは福井県よりふくいブランド大使に認定されており、福井県の越前・三国エリアの情報や、越前蟹(えちぜんがに)の魅力をネットを通して全国に発信しています。この記事は福井県坂井市「広報さかい平成30年2月号」より掲載しました。福井県の歴史文化に興味を持ち、越前・三国を旅する方が増えることを願います。 ●広報さかい

中世の大寺院の財力を表す輸入陶磁器
昨年(平成29年)は白山開山1300年として豊原寺シンポジウムを開催しました。その中で、長崎遺跡(称念寺しょうねんじ)の発掘調査など多くの中世寺院関係のことを扱いました。シンポジウムでは、中世の大寺院は大名家に匹敵するような財力や力を持っていたと説明しました。では、何を持って財力があると判断したのか。今回は、陶磁器という視点から切り込んでみたいと思います。中世(鎌倉時代~室町時代)では、国外との交易があまり行われておらず輸入品自体、とても高価なものでした。染付(そめつけ)や青磁(せいじ)や白磁(はくじ)といった輸入陶磁器に関しても同様で、輸入陶磁器の出土事例も国産の陶磁器に比べるとかなり少なく、限られた者しか手にできなかったということがわかります。輸入陶磁器の出土事例としては、豊源寺からは中国の元の時代(1271~1368年)の中国製陶磁器が出土しています。この時代の輸入陶磁器の出土事例は、豊源寺以外では、中国との貿易拠点であった博多遺跡群(福岡県福岡市)や花の御所(京都府京都市)、白山平泉寺(福井県勝山市)、一乗谷朝倉氏遺跡(福井県福井市)など30遺跡弱で、出土点数は全国合わせても数百点しかありません。ちなみに、全国には中世の遺跡だけでも数万遺跡存在し、毎年、数万点もの異物が出土していると言われていますが、出土遺跡の数や出土点数の少なさから見ても、その価値を伺い知ることができます。
この他にも、豊源寺や長崎遺跡からは、13~16世紀ごろの青磁や白磁といった中国で焼かれたと考えられる輸入陶磁器が大量に出土していることから、豊源寺や称念寺は、大名家に匹敵するような財力や力を持っていたということが判断できるのです。


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