焼きがにでよくあるのは、焼き肉店などでも使う「炭火の網焼き」ですが、私は使いません。炭火の網焼きでカニを焼くと、ついカニを焼きすぎてしまい、身がパサパサになり、カニ殻の焦げた煙の匂いが部屋中に立ち込めます。この煙が良いと思えないのです。私は焙烙(ほうろく)を使い、越前ガニを「蒸し焼き」にします。焦げた匂いではなく、カニ身の水分が適度に飛んだ香ばしさを求めているからです。焙烙を使うと、蓋を開けた時にカニの香りがふわ〜っと広がり、ゆでがにとは全く違った味わいがあります。
上は焼きがにの蓋を開けたときの写真です。水分が適度に飛んで、カニ独特の香ばしさがとても美味しく、あらやの常連になってくださっているお客様には「焼きがに」がお好きな方が多いと思います。「かにしゃぶ」と同じく、主人イチオシの越前ガニ料理です。